軟体動物頭足類(タコ・イカなど)の進化

軟体動物頭足類(タコ・イカなど)の進化 

頭足類の進化の木の図

 

「頭足類の進化の木」をくわしく見たいときは
 図をクリックしてください。

頭足類の進化の木

 

 

 

 

オウムガイの時代 

 「知っている化石は?」と聞くと多くの人が答えてくれるアンモナイト。渦巻のような殻を持っているので、巻貝と思う人もいるかもしれませんが、実は、イカやタコ、オウムガイの仲間なのです。
 古生代カンブリア紀の終わりごろ(約5億1000万年前)、最初のオウムガイ類が現れました。殻は三角帽子のような形で、今のような渦巻ではありませんでした。その後、古生代オルドビス紀前期(約4億7500万年前)以降では、色々な特徴を持つものに分かれていきます。特に細長くまっすぐな殻を持ったものが多く、チョッカクガイと呼ばれています。チョッカクガイ(オルソセラス目(もく)※)は古生代シルル紀の中頃(約4億3000万年前頃)まで繁栄していましたが、その後少なくなり、中生代三畳紀の終わり(約2億100万年前頃)に絶滅しました。このチョッカクガイの仲間の1つであるバクトリテス目から、アンモナイト類とタコやイカの祖先(鞘形類(しょうけいるい))が出てきました。

 

古生代のアンモナイト類 

 アンモナイト類は、古生代デボン紀中期(約3億9500万年前)頃に出現しました。デボン紀後期(約3億8000万年前)に現れたゴニアタイト目は、石炭紀になると繁栄し、色々な種類に分かれました。しかし、古生代ペルム紀末(約2億5200万年前)の大量絶滅でいなくなってしまいました。

 

中生代のアンモナイト類 

 中生代三畳紀(約2億5200万~2億100万年前)になると、セラタイト目が繁栄します。セラタイト目はゴニアタイト目から進化したグループで、古生代ペルム紀に出てきました。しかし、三畳紀末の大量絶滅でいなくなってしまいました。

 中生代ジュラ紀(約2億100万~1億4500万年前)になると、アンモナイト目が繁栄します。アンモナイト目はセラタイト目から進化したグループで、三畳紀に出てきました。ジュラ紀の間は、渦巻型のアンモナイト類が多くなり、色々な種類に分かれていきます。そして、中生代白亜紀(約1億4500万~6600万年前)になると「異常巻き」と呼ばれる変わった形のアンモナイト類も出てきます。しかし、白亜紀末の大量絶滅で、アンモナイト類は全ていなくなってしまいました。

 

イカ・タコ類

 アンモナイト類と同じく、バクトリテス目から分かれたイカやタコの祖先は、さらにいくつかの種類に分かれました。現在生きているイカやタコは中生代三畳紀に出てきた種類の子孫です。そのほかに、形はイカに似ているが体の中にまっすぐな殻を持ったベレムナイト目がいます。ベレムナイト目は三畳紀の終わりごろに出現し、白亜紀末の大量絶滅でいなくなってしまいました。ベレムナイト目の化石は矢じりのような形をしていることから、矢石とも呼ばれています。

 

現生のオウムガイ類 

 現在生きているオウムガイ類は、古生代デボン紀初め(約4億1000万年前)に出現しました。かつては繁栄していたオウムガイの仲間ですが、現在は5種類だけが残っています。

※ 目(もく)は生物を分類するための階級の一つ

「生命はどのように進化してきたか」のページに戻る

ページの先頭へ戻る