脊椎動物の進化
脊椎動物の進化
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魚の時代
私たち人間の仲間である脊椎動物の化石は、古生代カンブリア紀前期(約5億3000万年前)から発見されています。大きさは2~3㎝と小さいものでした。その後、古生代デボン紀(約4億1900万~3億5900万年前)になると色々な種類に分かれ、あごを持つものも現れ、繁栄しました。そのため、デボン紀は「魚の時代」と呼ばれています。特にこの時代に繁栄した原始的な魚の一つが、体の表面が骨格化した「甲冑魚(かっちゅうぎょ)」とも言われる板皮(ばんぴ)魚(ぎょ)類です。全長7mにおよぶものもいました。しかし、約4億年前にサメの仲間の軟骨魚類が繁栄するようになると、板皮魚類は衰退し、絶滅しました。
海から陸へ
デボン紀には、しっかりした骨と筋肉がついたひれを持つ魚類(肉(にく)鰭(き)類)が、陸に上がるようになりました(四肢(しし)動物)。古生代石炭紀に入ると(3億5900万年前)、陸上生活に適応した色々な種類のものが現れるようになりました。特に、殻付きの卵を産むものが現れたことで、脊椎動物が陸地全体に広がっていくようになりました。
哺乳類の祖先の誕生
古生代ペルム紀(約2億9900万~約2億5200万年前)は、「単(たん)弓(きゅう)類の時代」でした。単弓類は体が大きく、さまざまな形の種類に分かれていました。特に背中に大きな帆を持ったディメトロドンは、ペルム紀を代表する動物です。単弓類は、ペルム紀末の大量絶滅で大きく数を減らしましたが、中生代三畳紀前期(約2億5000万年前頃)になると体が大型化しました。
恐竜の繁栄と絶滅
ペルム紀の大量絶滅によって、陸上には新しい脊椎動物のグループが出てきました。三畳紀(約2億5200万~約2億100万年前)に入ると、恐竜が現れ、ワニの祖先、翼竜類、カメ、哺乳類、カエルなどの現在につながる生き物の祖先が出てきました。なお、哺乳類は、単弓類の一部が進化した生物です。また、魚竜類、首長竜類などが再び海に帰っていきました。
三畳紀の終わりにも大量絶滅が起こり、三畳紀終わりに繁栄していたワニの祖先は、ワニの仲間を除いて絶滅しました。そして、中生代ジュラ紀(約2億100万~1億4500万年前)は、恐竜が繁栄し、巨大化していきました。恐竜は中生代白亜紀末(約6600万年前)に絶滅しましたが、ジュラ紀の終わりに恐竜から鳥類が分かれ、現在まで残っています。
哺乳類の時代へ
白亜紀末の大量絶滅の後、新生代に入ると、哺乳類や鳥類が色々な種類に分かれました。哺乳類は、体が小さかったものが大型化し、クジラの祖先は海で生活するようになりました。新生代新第三紀(約2300万~260万年前)には、ゾウの仲間、ウマの仲間、シカの仲間など、現在の哺乳類の祖先がほぼ出そろいました。
人類は霊長類に属しています。霊長類は6500万年以上前に他の哺乳類から分かれました。人類と最も近いのはチンパンジー類で、およそ800~500万年前にわかれたと考えられています。