宮田の獅子舞(みやたのししまい)天草市
所在地
天草市倉岳町宮田
利用案内
- 駐車場:あり
- トイレ:あり
解説
天草を代表する獅子舞「 宮田獅子舞」
宮田獅子舞は、栖本の太鼓踊りや下浦の行列とともに昔から天草の中でも大変有名な芸能でした。獅子舞に登場する獅子は、1組2頭が一般的なのですが、宮田獅子舞では2組4頭です。昔、2つの地区の間で、どちらがすばらしい獅子舞なのかを争した名残りだそうです。当時、どちらが上手かをチェックする目の肥えた観客を前にミスをしようものなら、大変なことだったそうです。
獅子舞のストーリーは、山から下りてきた獅子が人里を荒らし回ります。そのうち、獅子は疲れて昼寝をしてしまいます。そこに、玉振りの稚児が登場し、音楽に合わせて舞を演じます。それを見ていた獅子は、その稚児の純粋さに親近感を覚え、稚児を背負って山へ旅に出かけます。このストーリーには、住民の平和や安全への願いが込められているようです。
2組の獅子のうち、1組は茶色、もう1組は黄土色の体をしています。獅子の面は全て赤です。一方、玉振りの子どもたちの衣装は、金や赤を基調にした着物です。顔には白塗りの化粧を施し、右手に玉、左手に軍配うちわを持っています。宮田から獅子舞が伝わったと考えられる隣接する棚底や浦の獅子舞の衣装に比べ、一見地味な色合いですが、昔のままの獅子舞の姿を残そうと、昔の衣装を大切に使っているからだそうです。また、以前、獅子舞の踊りや音楽を変更しようと試みたこともあったそうですが、今は昔から伝わるものの完成度の高さをそのまま伝えることに力を入れているそうです。昔は、旧暦の9月19日に行われていましたが、現在は、10月15日過ぎの最初の日曜日に行われています。最近は、玉振りや太鼓打ちをする子どもたちが2年ほどで入れ替わるようになったので、指導が大変だそうです。
太鼓や笛、ドラのリズムに合わせて激しい動きで暴れ回る獅子の呼吸、その獅子をなだめるように凛々しく舞う玉振りの子どもの表情が見る者を引きつけます。宮田獅子舞は天草を代表する獅子舞として、宮田獅子保存会を中心に地域一体となって大切に受け継がれています。