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金原の滝と甌穴(かなばるのたきとおうけつ)山鹿市

金原の滝と甌穴のイメージ

所在地

山鹿市鹿北町多久

利用案内

  • 駐車場:岳間渓谷キャンプ場
  • トイレ:岳間渓谷キャンプ場

解説

自然の美 金原の滝と甌穴

甌穴とはどんなものだろうか

たて7~8m、よこ2.5mほどの花崗岩体にできた大きなくぼみです。別名をかめ穴とかポットホールといいます。この大きなくぼみは、流れる水のはたらきによってできます。でき方は次の通りです。

川の底に大きな岩石があり、その上を水が流れていきます。長い長い年月が経つうちには岩のへこんだ部分に小石がひっかかり、それが水の流れる力によって絶えず動かされます。その動きで、岩石のへこんだ部分が削られます。小石もだんだん小さく削られて、ついには流されることもありますが、別の小石が上流から流されてまたくぼみにひっかかります。それが同じように川の流れによって動かされ、また岩石を削っていきます。岩石のくぼみはどんどん大きく、深くなっていきます。これを甌穴といいます。

写真の甌穴は岳間渓谷から50mほどくだった所にあります。遊歩道の吊り橋がかかっていますので、その上から見ると、甌穴の全体が一目で分かります。あまり深くはありませんが、面積が大きくてみごとなものです。

金原の滝も見てみよう

この甌穴のすぐ上に金原の滝があります。この地域には小さな滝が点在しますが、その中で最も大きなものが金原の滝です。落差数メートルの滝は常に美しい水しぶきをあげています。この滝をつくっている岩も甌穴がある岩と同じ乳白色で緻密な一枚岩の花崗岩でできています。花崗岩は、地質学的には筒ヶ岳花崗岩といい、約1億年前(笹田:1987)にできたものです。
むかしは子ども達が滝の上から飛びこんでいましたが、現在は危険防止のため飛び込み禁止になっています。

花崗岩とはどんな岩石でしょうか

花崗岩は、地下でマグマがゆっくりと冷やされてできた白っぽい岩石です。マグマがゆっくりと冷やされると、その成分が結晶となって現れます。そのほとんどは長石や石英と呼ばれる鉱物ですが、小さな雲母も肉眼で観察することができます。長石や石英は、白色から透明に見えますが、雲母は、黒っぽい斑点状になっています。この地域の花崗岩は粒が細かすぎて、きれいな結晶を観察するには難しい岩石です。また、至る所に花崗岩が生成したときの残液からできた岩石を見ることができます。岳間地区や菊鹿町の一部では、残液から出来た岩石から水晶も見つかっています。

花崗岩は地球上で普通に見られる岩石ですが、たいへん固い性質を持っています。きれいに磨き上げると美しい光沢がありますので、建築建材として生活の身近なところ(家の玄関、公園の敷石、ホテルのロビー、階段、記念碑やモニュメントなど)によく使われています。石材では「御影石(みかげいし)」と呼ばれています。

参考文献

『地理学事典』 二宮書店 1989
『地形学事典』 二宮書店 1981
『日本の地質9 九州地方』 日本の地質「九州地方」編集委員会 共立出版 1992
笹田政克 「豊肥地域の先第三紀基盤岩類」 『地質調査書月報38 』 1987
熊本日日新聞情報文化センター 『熊本の名水』 熊本日日新聞社 1998

周辺情報

すぐ近くに岳間渓谷キャンプ場があります。周辺の岳間渓谷や三国山、国見山などが見どころです。

地図

関連する情報

ロマンロードのわくど石(奇石)

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