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鳩山(はとやま)八代市

鳩山のイメージ

所在地

八代市日奈久馬越

利用案内

  • 駐車場:鳩山パーキングスペース 8台
  • トイレ:なし

解説

大地の変化が観察できる鳩山

鳩山の位置

鳩山は、日奈久温泉から国道3号線をおよそ2.5kmほど南下した所にあります。日奈久の町を出て最初に右側に小高い森が見えるところが鳩山です。鳩山の向かい側に駐車スペースがあるのでそこに車を置き、国道3号線と鹿児島本線を渡ると、海岸に下りるはしごがあります。このはしごを下ると、海岸沿いに遊歩道があるのでそれに沿って地質観察ができます。

鳩山で観察できるもの
地層の重なり方

地層の重なりは、粗い砂が固まってできた地層と細かな砂が固まってできた地層が交互に重なって見えるのでよくわかると思います。このように粗い砂と細かな砂が交互に積み重なっているのはなぜでしょう。海の中では、常に土砂が供給されているわけではありません。陸上で大雨が降ると、上流から大量の土砂が削られ川を下ってきます。
海まで運ばれてきた土砂は、粒が粗いものから順に海底に沈んでいきます(級化層理)。洪水の度に、粗い砂の地層と細かな砂の地層がワンセットになり海底に重なっていきます。このようにして積み重なってできた地層が、長い年月の間におし固められたものが、目の前に見えています。

過去の記録

地層と地層の境界面をよく見ると、すじ状に飛び出している模様をみつけることができるでしょう。これは、運搬物が川底や海底をけずった跡です。この模様を流痕(りゅうこん)といいます。また、地層が堆積したときの重さに違いがあると、上の堆積物が下の堆積物の中に沈み込み、境界面がでこぼこになります。このでこぼこを荷重痕(かじゅうこん)といいます。

地層の傾きやずれ

地層が傾いているのは、大地が押し上げられたり、横から押されて盛り上がったりしたためです。地球の表面は、プレートと呼ばれる厚い数枚の岩盤によってできています。これらのプレートが互いにぶつかったり離れたりすることによりその上を覆っている地層は、持ち上げられたり曲げられたりするのです。
下敷きや定規に力を加えるとたわんできますが、さらに力が加わると割れてしまいます。プレートがぶつかったり離れたりするため、地層も押されたり引っ張られたりして大きな力が蓄えられます。この力が限界まで達して割れてずれたものが断層です。鳩山では、このようにしてできた断層(地層のずれ)をはっきりと見ることができます。

鳩山の地層は・・

この地層は、日奈久層と呼ばれている地層の一部分です。ここでは化石などは採れませんが、この地層の続きの場所でトリゴニア(三角貝)などの化石が産出し、およそ1億2千万年~1億1千万年前の地層であることがわかっています。地質年代で言うと中生代白亜紀の地層で御所浦層群や御船層群より少し古い時代のものです。

参考文献

日本の地質「九州地方」編集委員会 『日本の地質9 九州地方』 共立出版 1992
『八代地方の土地教材の手引』 八代市教育研究会中学理科部会 1984
豊原富士夫・村田正文 『土地分類基本調査 5万分の1表層地質図「日奈久」』 熊本県 1986
松本達郎・勘米良亀齢 『5萬分の1地質図幅説明書 日奈久』 工業技術院地質調査所 1964

周辺情報

近くには、日奈久温泉があります。

地図

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