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水俣川の河岸段丘(みなまたがわのかがんだんきゅう)水俣市

水俣川の河岸段丘のイメージ1
水俣川の河岸段丘のイメージ2

所在地

水俣市深川

利用案内

  • 駐車場:数台分あり
  • トイレ:なし

解説

水俣川の河岸段丘

水俣川の源流から河口まで

水俣市は東部を鹿児島県旧大口市(現伊佐市)と、北部を津奈木・芦北両町と隣接し、西部に不知火海が広がる風光明媚なところです。東部、北部の山々に降り注いだ雨水がすべて水俣川に集まってきます。水俣川は石坂川地区あたりから次第に川幅が大きくなり、川の両岸にさまざまな地形をつくり、やがて湯出川と合流し、河口へつながります。水俣川は源流から河口まで全てが水俣市のみに存在する珍しい川なのです。

水俣川流域に見られる河岸段丘

八代方面から国道3号線を南下し、水俣市北部から大口方面に向かう国道268号線にのり、古城トンネルから2kmほど進むと、やがて水俣川と並行するようになります。さらに国道268号線を進み、深川小学校があるあたりから、右手にある水俣川の両側に沿って、平らな土地を見ることができます。この川岸に見られる地形が河岸段丘です。
深川地区から今俵地区までの水俣川流域に見られる河岸段丘は、川の侵食作用を受け、ちょうど川の州となる部分に存在しています。また、この段丘のまわりには河川の侵食・堆積作用の積み重ねによる自然堤防もあり、段丘との区別が困難です。そこで、これらの河岸段丘と自然堤防を合わせて「河成段丘」と呼ぶのがふさわしいとも言われています。

河岸段丘はまた、葛渡地区からさらに上流まで続き、久木野方面の支流である久木野川に沿ったところへと続いて見ることができます。

段丘が見やすいスポット
その1・国道268号線沿い

国道268号線を大口方面に向かい、深川小学校から600mほど進むと右手に駐車スペースがあります。このスペースの横に展望所のようなところがあり、ここから下を眺めると、蛇行した川の左手に段丘面が見られます。また、その場所から右を見ると、川の反対側に同じ段丘面を見ることができます。

その2・久木野川沿い

国道268号線沿いの葛渡派出所から久木野方面に道を折れ、800mほど進むと、道路の左側に広い駐車スペースがあります。ここから対岸を臨むと、眼下に久木野川が見え、川の両側に段丘面を見ることができます。

その3・集地区

前に説明してある葛渡派出所前の交差点から100mほど水俣市寄りに信号機があります。この信号機を北東に折れ1500mほど進むと、集地区というところに来ます。ここでは、やはり水俣川の支流である宝川内川の段丘を見ることができます。ここの段丘面は、これまでの段丘面と比較すると道路の高さに近いところに見ることができます。しかし、現在では平成15年7月にこの地区を襲った土砂災害の影響で、段丘面上に大きな岩や多量の土砂が覆い被さっています。もし、おいでになる機会がありましたら、ぜひ犠牲者のご冥福をお祈りください。

段丘レキに見られる現在の河川との比較

久木野川沿いの段丘面について、その段丘の上部面を確認することができます。前に説明してある集地区方面への道を、国道268号線の信号機から1000mほど行ったところの橋を渡って、久木野川沿いに折れます。1000mほど進むと、やがて道路沿いの崖にレキの層が幅数十mにわたり観察できます。このレキの層がここの段丘面の上部だと思われます。以前の河川は、現在の河川と比べると、約10~15mほど高かったことがわかります。

参考文献

豊原富士夫・村田正文・長谷義隆 『土地分類基本調査 5万分の1表層地質図「水俣・出水」』 熊本県 1987

周辺情報

近くの見どころは、久木野の棚田、寒川水源、久木野愛林館などがある。

地図

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