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柱状節理(ちゅうじょうせつり)南阿蘇村

柱状節理のイメージ1
柱状節理のイメージ2

所在地

阿蘇郡南阿蘇村戸下

利用案内

  • 駐車場:長陽大橋横に13台分あり
  • トイレ:長陽大橋横駐車場にあり

解説

すごくきれい!岩のカーテン柱状節理!

ここってどんな場所?

ここは、阿蘇カルデラ内の阿蘇谷を流れる黒川と南郷谷を流れる白川が合流するところの近くにあります。すぐ横を流れる黒川には、大きな岩が転がっていて、まわりにはたくさんの溶岩が露出しており、大昔の火山活動のすごさを感じることができる場所です。

カルデラってなに?

上に「カルデラ」ということばが出てきましたが、カルデラについて簡単に説明しておきましょう。「カルデラ」とは、ポルトガル語で「大きな鍋」という意味で、火口より大きい凹地のことをいいます。普通、火口の大きさは、直径1kmを超えないといわれていますが、それよりも大きい火山性の凹地をカルデラと呼んでいます。
阿蘇火山は、巨大なカルデラを持つ典型的なカルデラ火山で、そのカルデラの大きさは、南北約25km、東西約18km、面積は約380平方kmにもなります。カルデラ内は、現在活動している中岳がある中央火口丘群によって南北に二分されています。二分された北側を「阿蘇谷」、南側を「南郷谷」と呼び、阿蘇谷を黒川が、南郷谷を白川が流れています。

柱状節理って何?どうやってできるの?

火山の地下にはたくさんのマグマがあります。そのマグマが地上に出たものを溶岩といいます。地下では高温のマグマも、地上に出ると冷えて固まってしまいます。柱状節理というのは、溶岩が冷えて固まるときにできた、規則正しい柱状のわれ目(節理)のことをいいます。柱の断面は、6角形であることが多いのです。
では、なぜ6角形になることが多いのでしょう。それは、溶岩が冷えて固まるときには溶岩は収縮をします。たくさんの体積をもった溶岩が全体として同時に収縮をするとどうなるでしょう。均一に分布した中心に向けて収縮を始め、どの方向にも安定した形として、6角形の節理ができるのです。

戸下の柱状節理をつくっている溶岩って、どれくらいの厚さがあるの?

戸下の柱状節理をつくっている溶岩は、立野溶岩と呼ばれる溶岩で、その厚さは、80m~100mにも達します。立野溶岩は、輝石という鉱物を多く含む、デイサイト(二酸化珪素を63%~70%含む)で、輝石デイサイトという種類の溶岩です。
立野溶岩は、立野火口瀬に流れ込んだ溶岩のうちで最も厚い溶岩で、古火口瀬せき止めの主役といわれています。しかし、戸下より東側で別の溶岩流におおわれているために、どこから噴出したかは、まだ分かっていません。

参考文献

渡辺一徳 『自然と文化阿蘇選書7 阿蘇火山の生い立ち』 一の宮町 2001
渡辺一徳・藤本雅太郎 『土地分類基本調査 阿蘇山・竹田 5万分の1表層地質図』 熊本県 1992
小野晃司・渡辺一徳 『阿蘇火山地質図』 地質調査所 1985
関陽太郎 『建設技術者のための岩石学』 共立出版 1979

周辺情報

近くの施設には、阿蘇ファームランド、猿回し劇場、葉祥明絵本美術館、憩いの家温泉、温泉センターウイナス、長野岩戸神楽殿などがあります。また、見どころは、立野火口瀬、数鹿流ヶ滝、鮎返ノ滝、北向山原生林などです。

地図

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