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古閑の滝(こがのたき)阿蘇市

古閑の滝のイメージ1
古閑の滝のイメージ2

所在地

阿蘇市一の宮町福岡

利用案内

  • 駐車場:あり
  • トイレ:あり

解説

白い芸術! 凍る滝!

滝の紹介

旧一の宮町の宮地駅から東南部に約3キロの地点、妻子ヶ鼻(鼻:カルデラの内側に突き出た部分)の北岸に落差約100メートルを誇る古閑の滝があります。水は垂直に近い坂梨流紋岩の岩肌を男滝、女滝の二つに分かれて流れ落ちており、下から見上げると壮大な滝の姿が目に飛び込んできます。この滝は、駐車場から起伏のある山道を5分ほど歩いたところに観爆所があり、見上げるかたちで見学できます。

凍る滝の秘密

凍った滝の水 この古閑の滝は、冬になると滝の水が冷たい北風を受けて凍結する氷ばくとして知られています。一の宮町史によると、古閑の滝について次のように書かれています。 【標高が高い阿蘇は、冬の冷え込みが激しく、一月の阿蘇谷の平均気温は1.4℃と低地の熊本市の4.9℃と比べ3.5℃も低くなります。特に、この東の外輪山一帯は、標高が阿蘇谷の平坦面よりも300m以上も高いためことのほか寒さが激しく、一月から三月の初めにかけては滝全体が凍結し、付近の景観とあいまって見事な氷の芸術となって訪れる観光客を魅了しています。
春になって氷が溶け始めると、氷の固まりが落ちて岩に当たり、カーン、カーンと砕け散るその音は、春の訪れを告げる風物詩となっています。昔はここの氷を室(むろ)に貯蔵して、夏、病気の治療に利用したといいます。】

阿蘇カルデラ東部に多くの滝がある理由

阿蘇カルデラ東部の妻子ヶ鼻周辺には古閑の滝をはじめ、多くの滝が存在しています。その理由ですが、妻子ヶ鼻はカルデラ壁の岬の部分にあたり、ここには今から220万年前から45万年前に噴出したとされる「先阿蘇火山岩類」が分布しています。産状は、最下部にあるのが約83万年前に噴出した輝石安山岩の溶岩(妻子ヶ花安山岩)で、その上に約45万年前に噴出した黒雲母流紋岩の溶岩(坂梨流紋岩)が覆っています。これらの溶岩は、流動性が高くないため、厚い溶岩流となっています。このため、溶岩流ごとに急崖ができ、段差がついたように見えます。
さらにその上を浸食された流紋岩の谷を埋める形で、阿蘇火砕流堆積物が覆っています。「古閑の滝」等の多くの阿蘇カルデラ東部の滝はこの阿蘇カルデラ東部の上部の阿蘇火砕流堆積物や坂梨流紋岩を浸食してかかっています。 そのため、旧一の宮町東部の原野や阿蘇高原に降った雨は、これら阿蘇カルデラ東部の溶岩などが形作る絶壁から壮大な滝となって落下するのです。

参考文献

田中伸廣 『自然と文化阿蘇選書8 阿蘇山と水』 一の宮町 2000
渡辺一徳 『自然と文化阿蘇選書7 阿蘇火山の生い立ち』 一の宮町 2001

周辺情報

近くには、アゼリア21、古代の郷美術館などの施設があります。また、見どころとしては、国造神社、阿蘇神社、小嵐山、中通古墳群、仙酔峡などがあげられます。

地図

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