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七滝の甌穴(ななたきのおうけつ)御船町

七滝の甌穴のイメージ

所在地

上益城郡御船町七滝

利用案内

  • 駐車場:10台
  • トイレ:あり

解説

自然の造形美 七滝の甌穴(おうけつ)

御船町七滝地区

御船インターチェンジより下り、国道445号線を矢部町方面に車で進むこと20分あまりで七滝地区に着きます。途中御船川を右手に目にしながら河岸の平地部分(集落)がなくなってきたかと思うと、一気に阿蘇の溶結凝灰岩が道路脇に迫りV字谷の地形を上っていくことになります。視界が開け民家が見えてくると七滝地区です。
「七滝」のバス停(ガソリンスタンド)より右折し、2~3分ほどで甌穴のある七滝に着きます。駐車場から七滝神社に向かって下ると七滝の滝壺の上に降り立ちます。周囲は自然が作り出した甌穴による奇岩と、江戸時代初期に修築された七滝神社が見事なコントラストを作り出しています。秋には木々の紅葉でさらに鮮やかになります。また、滝の上から滝壺をのぞき込むことができ、爽快な気分になることができます。

どうやってできたの?七滝の甌穴(ポットホール)!

甌穴のことを別名ポットホール、瓶穴(かめあな)とも呼びます。七滝周辺の岩石は阿蘇火砕流堆積物である溶結凝灰岩でできており、川底や川岸のそれらの岩に円形のくぼみができたものが甌穴です。直径3m以上のものもあります。これは川の流水のはたらきによってつくられます。
まず、川底に割れ目やくぼみなどがあると、そこに流水の岩を削るはたらき(浸食作用)が集中します。そこに流れ込む水は渦を生じることで浸食力が増し、円形の穴へと拡大していきます。さらに、その穴に上流から砂や石を含んだ水が激しく内壁に衝突することで、その砂や石が研磨具としてはたらき甌穴ができあがります。

七滝と七滝神社

七滝は普段は水力発電所の取水堰のためにごくわずかな水流しかありません。水量が少ないために甌穴や滝の両側に溶結凝灰岩の柱状節理が発達している様子がよく観察できます。年に一度滝祭りの時(5月中旬)や大雨の後にはその勇壮な姿を現します。
その姿から、「七越の滝」「七級(しな)の滝」あるいは「七段(きだ)の滝」と呼ばれ、その昔、宮中まで聞こえ和歌にまで詠まれています。また、滝の厳上に建つ七滝神社も古く、南北朝時代に七滝の荘厳さと神秘さに合わせて阿蘇家の祖神を祀って創建され五穀豊穣を祈願しています。その後荒廃したため、肥後藩主細川綱利公によって1686年修築されました。近年、周辺は地域の人々によってきれいに整備され、滝の対岸に下りる階段もしっかりと整備されています。

参考文献

麻生弘幸 「流水の浸食作用を実証できる「甌穴モデル」について」『熊本地学会誌』 1995
渡辺一徳  『自然と文化 阿蘇選書7 阿蘇火山の生い立ち』  一の宮町 2001
沖田昌進・奥村盛人 『増訂板 御船史蹟記』 文化新報社 2002

周辺情報

近くに、七滝や七滝神社があります。

地図

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