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吉無田水源(よしむたすいげん)御船町

吉無田水源のイメージ

所在地

上益城郡御船町田代

利用案内

  • 駐車場:20台ほどあり
  • トイレ:あり

解説

毎時約500トンの湧水を誇る水源

水量豊富な水源

吉無田水源は、熊本市より東南東30km余りの御船町大字田代吉無田地内にあり、毎分約8トンの湧水水源で、清水川から八勢川を経て一級河川の緑川に合流して有明海へ注いでいます。

吉無田の自然

この地域は、阿蘇山の外輪山の南側に位置して、標高が500mから1200mのゆるやかな傾斜地となっています。この外輪山は阿蘇の入口にあたる立野から原始林で名高い北向山、俵山、冠岳、地蔵峠と山が連なっています。吉無田高原からは遠くは有明海に浮かぶ天草の島々や雲仙岳を一望するすることができ、山際からなだらかに起伏するスロープと、その合間に点在する緑の広大なじゅうたんのような放牧場や茶園の景観はすばらしく、九州でも屈指の高原美を誇っています。

植林が生んだ湧水

江戸時代、藩内各地での水不足を察知した肥後藩は、この地に植林を奨励しました。1815年(文化12年)から1847年(弘化4年)までの32年間に240万本の植林が行われ、その後も引き続き1867年(慶応3年)までの52年間で3,418千本の植林の結果、吉無田水源の湧水を始め各山系の裾野にも湧水が増えたといわれています。
 このように植林がもたらした貴重な湧水源が「吉無田水源」であり、その水源からの水は江戸時代の初めごろ、時の木倉手永惣庄屋木倉(吉田)太郎兵衛が通した全長20kmの「元禄井手」や嘉永の末年に惣庄屋光永平蔵が開いた全長28kmに及ぶ「嘉永井手」を通って田代、上野地域の水田かん養はもちろん、地域住民の生活用水となっています。自然の清水に関心が高まった現在、良水を求めて吉無田の地を訪れる人は1日100人を上る賑わいです。

冷たく澄んだ水

吉無田水源の水は約13℃の澄んだ水です。この澄んだおいしい水は、米や高原野菜をはじめ、お茶、納豆、豆腐、パンなどさまざまな製品の製造の源になっています。

参考文献

丹青静男『御船風土記』 御船町教育委員会 1987
『熊本の名水 水源と滝・渓谷』 熊本日日新聞社 1998
荒牧 一利他『水は伝える 熊本の湧泉』 熊本の湧泉研究会 2004
『水の気持ち 熊本の水たち』 肥後の水資源愛護基金 肥後銀行1995

周辺情報

矢部通潤橋、七滝、金目の大山桜などが見どころです。

地図

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