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浮島神社と下六嘉湧水群(うきしまじんじゃとしもろっかゆうすいぐん)嘉島町

浮島神社と下六嘉湧水群のイメージ

所在地

上益城郡嘉島町井寺~下六嘉

利用案内

  • 駐車場:約15台
  • トイレ:あり

解説

湧水はどこから

この地域は、水を含んだ多孔質の「砥川(とがわ)溶岩」を基盤岩とし、阿蘇火砕流堆積物、有明粘土層などが堆積してできたものです。有明粘土層は地表から約11mあり、下部は砂レキ混じりのシルト層で、上部は砂質シルトからできているため、水分が豊富に含まれています。安定した地下水は、砥川溶岩層のあたりにあるそうですが、下六嘉の人びとは、有明粘土層上部の砂質シルトを1.5mほど掘ると、清涼な水を得ることができます。

浮島さん

九州自動車道を御船インターチェンジで降りて北へ2kmほど行くと、「井寺古墳」で知られる井寺地区があります。ここに約3haほどの広さの湧水池があり、池の東側の一角に突き出した形で「熊野座神社」があります。見学者が西側から見ると、まるで神社が池に浮かんでいるように見えるので「浮島さん」とよばれて地域に親しまれています。
一説には、どんな洪水のときも「熊野座神社」に水が上がったことがないことから「浮き島なり」と称されたといわれています。
「浮島さん」の湧水は、1日に15万トンといわれ、町全体の湧水量の大半を占めています。1年を通して水温は摂氏18度で、コイ、フナ、ウナギ、ハエ、エビなどが生息しています。そのため、釣りをする人たちに人気があり、家族連れで来る人も多くいます。

下六嘉の天然プール

下六嘉地域には、いたるところに湧水がありますが、そのなかの1つに「天然プール」があります。この「天然プール」は「浮島さん」から県道をはさんで西へ約700mのところにあり、縦20m、横25m、深さ1~1.4mの大きさです。プールサイドは、水面上に桟橋のように木でつくられています。ここも1年を通して水温は摂氏18度で変わることはありません。
このプールは湧水池の上にありますので、プールの澄んだ水中をコイ、フナ、ハエなどが泳いでいます。泳ぎながら魚たちと遊ぶことも楽しみなプールです。学校にプールがなかった時代には、ここで水泳大会も開かれていました。夏休みともなると沢山の人が訪れ、テントが張られ、子ども達の泳ぐ歓声でいっぱいになります。

参考文献

嘉島町誌編集委員会 編 『嘉島町誌』 嘉島町 1989年
熊本の湧泉研究会 編・発行 『水は伝える熊本の湧泉』 2004年

周辺情報

浮島の傍に「井寺古墳」があります。

地図

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