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轟水源(とどろきすいげん)宇土市

轟水源のイメージ

所在地

宇土市宮庄町

利用案内

  • 駐車場:轟水源駐車場
  • トイレ:太鼓収蔵館を利用

解説

真夏でも涼しさを感じる清らかな水

宇土市は幹線道路から見ると平野が続き、とてもわき水が出る土地には見えません。そこに名水百選でも知られる轟水源があることは不思議な感じもします。場所は宇土市中心部の宇土高校から丘陵地へ約2kmのところにあり、水田の間を通ってくると突然水源が現れます。道は多少狭いのですが、標識なども整備されています。

こんな水源です

深い木立の中から流れるように出てくる冷たい水は、真夏でも十分な涼しさを与えてくれます。水源内は入ることはできませんが、流れ出る場所は水くみや水遊びをするスペースもあり、涼を満喫することができるでしょう。
湧き出る水の量は1日約3000トンと豊富で、口に含んでみるとわずかに甘みを感じてさわやかです。また年間を通して水温は16度で、夏場に足をつけると数分でしびれてしまいます。また、気温差によっては池の周辺に霧ができ、幻想的な風景を見ることもできます。
このような湧水量を誇る水源の水はどこからやってくるのでしょうか。轟水源の南西には、大岳という火山岩からできている山があります。この大岳付近に降った雨が、火山岩の割れ目を通り平野部との境界で湧出しているものと考えられます。

日本最古の上水道

この轟水源が有名なのは、日本に現存する最古の上水道へ水を供給しているからです。近隣住民約120戸の生活用水として現在も使用されています。
もともと宇土市周辺では井戸を掘っても塩水が混じることが多く、水に恵まれない土地でした。そこで宇土藩第二代藩主である細川行孝公が、正保3年(1646年)に、轟水源から400分の1の勾配で、延長4.8kmにも及ぶ土管を、城下まで結ぶ大工事を行なったと言われています。その後、明和6年(1769年)には、第六代藩主・興文公が破損の激しかった土管を馬門石を使った石管に改修しました。
現在も飲料水として利用されていることから、定期的に水質が検査され(pH7.9)、法的にも水質基準を十分満たしています。

参考文献

日本の地質『九州地方』編集委員会 『日本の地質9 九州地方』 共立出版 1992
「第二章 宇土半島の地形・地質・水」 林 行敏 『新宇土市史 通史編 第1巻 自然 原始古代』 宇土市 2003

周辺情報

近くには、太鼓収蔵館があります。

地図

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