高森湧水トンネル(たかもりゆうすいとんねる)高森町
所在地
阿蘇郡高森町
利用案内
- 駐車場:数十台可
- トイレ:あり
解説
真珠が光るトンネル
高森トンネルとは
高森トンネルは、高森地区のほぼ中心部に位置し、高森から高千穂まで23.2kmを結ぶ鉄道延長工事として昭和48年12月に始められました。しかし、昭和50年以降、トンネル内で幾度となく出水が続き高森町の自然湧水や地下水が大きな被害を受けました。そのため、トンネル工事は2055m地点で一時中断されました。
その後、日本国有鉄道再建法制定により、高森線の第3セクター化が決定され、高森トンネル工事も中止になりました。
トンネルからの出水
昭和50年2月、トンネルの入り口から約2kmの坑内で、毎分36トンの大量出水がおきました。このとき、高森町内の湧水8カ所が枯れ、水道が断水する騒ぎになりました。その後、飲料水や農業用水等の対策工事が進められました。現在では、トンネル内全体の湧水量は毎分32トン、1日あたり4万6千トン、飲料水送水量は1日あたり1800トン、農業用水送水量は1日あたり4万2千トンと高森地区の貴重な水がめになっています。
トンネルから公園へ
トンネル工事の跡地には、湧水館、駐車場、トンネル内歩道、照明装置、調整池、緑地等が整備され、高森湧水トンネル公園として生まれ変わりました。現在は、2055mの坑内のうち550mを一般公開しています。
トンネル公園のイベントとして、平成8年度より、大型の七夕飾りをトンネル内の水路上に飾り付け、七夕祭りを開催しています。期間は、7月から10月までで、入場者が多い月には、7万人を超す賑わいをみせています。
ウォーターパール
一般開放されている坑道の一番奥に「ウォーターパール」があります。
「ウォーターパール」とは、水に一定の振動を加えながら特殊ノズルを通過させることで、水を均一な球体として連続的に噴射し、これに、マルチストロボで光を照射することにより、水滴が空中で静止しているように見せたり、ゆっくりと登っているように見せたりする装置です。
ここで見る水滴は、暗闇に浮かぶ真珠のようで、思わず見とれてしまいます。
参考文献
『高森湧水トンネル整備』 高森町役場企画観光課
田中伸廣 『自然と文化阿蘇選書8 阿蘇山と水』 一の宮町 2000
周辺情報
近くの観光施設には、湧水トンネル資料館、物産館、高森温泉館等があります。高森田楽のお店も数件あります。また、4月上旬の高森峠千本桜も見物です。