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球磨の麻栽培(くまのあささいばい)山江村

球磨の麻栽培のイメージ1
球磨の麻栽培のイメージ2

所在地

球磨郡山江村

利用案内

  • 駐車場:
  • トイレ:

解説

麻を育てる

私たちが普段着る衣服にはどんな繊維が使われているでしょうか。木綿に羊毛。そしてポリエステル、ナイロン、レーヨンなど様々な化学繊維。これらの繊維はいつ頃から使われているのでしょうか。化学繊維が普及するのは戦後の事です。羊毛も明治以降、最も古い木綿でも普及するのは江戸時代の中期以降の事です。それではそれ以前はどんな繊維を使っていたのでしょうか。身分が高い人たちは絹を使う事ができましたが、庶民はそんなものは着られませんでした。それでは何を着ていたのでしょうか。最も多いと思われるのは麻です。今使われている麻は明治時代に伝えられて亜麻が中心ですが、以前は大麻、苧麻(カラムシ、ポンポン草)が多く使われていました。
戦前は球磨地方でも麻が多く栽培されていました。(昭和50年を最後に今は栽培する人はいません。)麻は一年草です。冬の最も寒い時期に畑を深く掘り起こし、2月~3月頃整地して種をまきます。種をまいて4~5日で芽が出ます。これが鳥の好物なので、鳥に食われないよう、1日中鳥を追うのは子供の仕事になっていました。麻はある程度密植しないと太りすぎていい繊維が獲れないので,子供たちの仕事も大事な仕事でした。麻は成長が早い植物で、土用の頃には人の背丈より高くなります。天気の続きそうな日を選んで刈り取ります。刈り倒したものは葉っぱを落として、からからになるまで畑で干します。これを持ち帰り、表皮を剥ぎやすくするため蒸します。長い麻の繊維を切らないように、麻に大きな桶を被せて蒸します。これをまた干して乾かし保管します。稲刈りがすんで一段落すれば保管しておいた麻を1週間ぐらい水に漬けて柔らかくし、皮をはぎます。剥いだ皮を灰と混ぜてよく揉んで蒸します。蒸し終わったものは灰汁につけておきます。これを川に持っていき、スズ竹2本を竹ばさみのように使って水中で外皮やカスを落として製品に仕上げます。
この一連の作業に使用した道具が山江村歴史民俗資料館に展示されています。一度お訪ね下さい。

地図

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