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久木野住吉神社(くぎのすみよしじんじゃ)水俣市

久木野住吉神社のイメージ

所在地

水俣市越小場

利用案内

  • 駐車場:あり
  • トイレ:あり

解説

久木野の住吉神社と日当野地区

日当野地区は山間に開けた小盆地で、周辺に拓かれている畑からは石器や縄文土器・弥生土器・土師器・須恵器などが多数出土しています。網のおもりに使用した土錘も8個出土しており、かつてこのあたりに湖水あるいは沼地があり、魚を獲っていたことがうかがえます。その時代から現在まで人々の生活の場として続いてきました。その日当野に建つ旧久木野村の村社であった久木野住吉神社は1443年に創建されたと伝えられる神社です。住吉神社は海上航海安全の神様と言われますが、なぜ、このような山間部に勧請されたのかははよく分かりません。住吉神社では、春四月に、五穀豊穣を祈願する「願かけ」の祭りが行われ、当日午後から氏子である村内全域から「俄(にわか)踊り」(二○加)をつくりにぎわいました。戦時中は、出征軍人とそれを見送る妻をコント風に演じたものもありました。各地区のにわかには神社から金一封のお花が出るほか、地区や地区外のひいき先からお花が上がりました。しかし、現在はこうした風習も途絶え、各地区から集まった氏子の人たちが、神社の拝殿で祝詞を上げ御神酒を上げる神事のみが行われています。
春の願かけに対して、秋の収穫の「願成就」の祭りが10月21日を祭例日として行われます(数年前から、学校や仕事の関係で近くの日曜日)。祭りの当日には、水俣、芦北、天草、鹿児島県の大口、出水などから力自慢の草相撲力士が集まり、勧進元(かんじんもと)の采配で東西に分かれて相撲を取りにぎわいました。力士が赤ちゃんを抱きかかえ土俵入りをする儀式は、希望者が多くあります。ただ、女は土俵に上がれないというしきたりは厳格に守られており、男の子だけです。奉納相撲の前には行司により古式にのっとった作法で神儀が行われます。久木野小・中学校の男子児童・生徒の相撲大会、保育園児・女子児童・生徒による俵踊りも、保護者や地域の人たちには楽しみの一つです。現在、力士は、人吉、津奈木などから国体・県体出場経験者等に来てもらっています。

参考文献

水俣市史編さん委員会 『新水俣市史 上巻』  水俣市 1991
水俣市史編纂委員会 『新水俣市史 民族・人物編』 水俣市 1997

地図

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