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若宮神社の通しもん(わかみやじんじゃのとしもん)御船町

若宮神社の通しもんのイメージ

所在地

上益城郡御船町辺田見

利用案内

  • 駐車場:あり
  • トイレ:あり

解説

200年以上続く若宮神社の通し物

通し物のおこり

『田の茂(も)の今日のにぎわいは神をいさめて身は舟にこがれこがるるそでたもとうかれうかれてきたわいな』と「通し物の歌」を着飾った稚児(ちご)たちが、太鼓(たいこ)、三味線(しゃみせん)の音に合わせて歌いながら進む行列は、200年以上の伝統をもつ若宮神社の「通し物」です。 若宮神社には次のような言い伝えがあります。「昔、御船川の大洪水で社殿もろとも流された。御神体を案じていたところ、緑川の近くの犬淵に住んでいた大鯰(なまず)が流れてきた御神体を無事お救い申し上げた。」というものです。喜んだ氏子たちは、さっそく御神体をお迎えに行くこととなり、はじめは女の人だけでお迎えに行くように話が決まり、女の人の足ならばゆっくりだから餅をついてお迎えしようと準備にかかっていたそうです。しかし、途中で男の人もお迎えに加わり、予想以上に早く御神体が到着したそうです。そのためやっと蒸し上がった餅米と小豆で、餅をつく時間もなくて赤飯を作り、餅の代わりに赤飯をお供えしてお祝いをしたという話が残っています。今でも大祭には、餅ではなく赤飯をお供えしているそうです。また、神社周辺の氏子たちは、鯰を食べると罰が当たるとして、決して鯰を食べなかったと言われています。現在でもその「いわれ」を守っている人もいるそうです。この神様をお迎えに行く行列が通り物の起こりといわれています。
以前は10月7~8日を大字御船の氏子(うじこ)が御旅所を設け御輿(みこし)をお泊めして祭りを行っていました。その時「通し物」は、7日に御輿を眼鑑橋(昭和63年の洪水で流出)のたもとで迎え、8日に見送っていました。そして、9日に大字辺田見と大字滝川の氏子が祭りを行っていました。今は、10月9日を祭りの日として、式典終了後に神幸式(しんこう)を行い町中を巡幸しています。神幸式は、子ども御輿、通し物、稚児行列、御輿と供奉(ぐぶ=おともをすること)する人々で構成されています。伝統のあるお祭りです。ぜひ一度見に来てください。

参考文献

丹青静男『御船風土記』 御船町教育委員会 1987

地図

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