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バーサランダ祭(ばーさらんだまつり)山鹿市

バーサランダ祭のイメージ

所在地

山鹿市鹿央町千田

利用案内

  • 駐車場:なし
  • トイレ:なし

解説

子どもたちの無病息災を祈願~バーサランダ祭~

山鹿市鹿央町の上千田では、毎年7月25日にバーサランダ祭が行われています。この祭りは、疫病が流行する頃に、それが起こらないように願う目的で行われています。「バーサランダ祭り」には、次のような言い伝えがあるそうです。その昔(350年くらい前)この村に疫病が流行し、多くの死人も出て村人たちは、たいそう困っていました。そんな時、通りかかった旅の修業僧が、天満宮で祈祷を行ったところ、たちまち流行病は治まってしまったということです。そこで、村人たちは、以来そばを流れる千田川より川石を百個奉納して流行病が広がらないように、村人の健康と繁栄を守るために祭りを始めたと言われています。また、もともとこの祭りは、上千田天満宮の、夏祭りで、昔は、「お百度あげ(参り)」と言われたそうです。腰にしめ縄をした男の子が千田川で石を拾い天満宮まで行きその石を奉納します。これを石が100個になるまで繰り返します。千田川と天満宮の間を往復する間、男の子たちは『バーサランダ・サーランダ』という唱え言葉を何回も唱えます。この唱え言葉は、旅の修行僧が祈祷の時に使っていた真言(古代インドのサンスクリット語)の一部分である『ノウマクサーマンダ・バザラダンカン』(不動明王という意味)が人々の耳に残り、その後、祭りの唱え言葉として使われてきたのではないかと言われています。男の子たちは、その呪文を唱えながら1回に1個の石をあげてお参りをします。石が百個になれば、百度のお参りができたことになります。百個の石を奉納するのが目的ではなく、百回のお参りの証として石をあげるのです。その後、石が百個上がったら、男の子たちは、しめ縄を天満宮の境内の梅の木に投げ上げ、奉納した石はご神木の根本に納めます。その後、男の子たちは、ノートや鉛筆、アイスクリームをもらいます。大人の人たちはすぐ下の公民館で御神酒上げをして祭りが終わります。現在も祭りは、子どもたちの無病息災を祈願する祭りとして受け継がれています。

参考文献

鹿央町史編纂室編 『鹿央町史 上巻』 鹿央町 1989
『かおう町の文化財』 鹿央教育委員会・鹿央町文化財保護委員会 2001

周辺情報

近くには「八島のスギ」や「豊前街道の里数木跡」、「県立装飾古墳館」などがあります。

地図

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