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犬子ひょうたん(いんごひょうたん)山鹿市

犬子ひょうたんのイメージ

所在地

山鹿市大宮通

利用案内

  • 駐車場:周辺に有料駐車場あり
  • トイレ:あり

解説

山鹿に夏の訪れを告げるお祭り

「夏」といえばどんなイメージをお持ちですか。海水浴、かき氷、朝顔...いろいろなイメージがあると思います。昔の人にとっては夏は明るく楽しいだけではなく、流行病、疫病がはやる怖い季節でもありました。恐ろしい疫病退散に最も頼りにされたのが祇園精舎の守り神牛頭天王を祀る祇園さん八坂神社です。ですから、祇園社、八坂神社と呼ばれる神社では夏に最も大きい祭りが行われます。全国的には京都東山の八坂神社が有名ですが、この神社のお祭りが七月に行われる京都三大祭りの一つ祇園祭です。
山鹿市では大宮神社の境内に八坂神社が祀られています。このお宮は江戸時代に中村の庄屋が京都の八坂神社を勧請したものだといいます。この神社のお祭りは6月15日に行われます。このお祭りの時には米の粉と餅米の粉を混ぜて、子犬が瓢箪にまつわりつく形をつくり、色を付け竹串に刺した、「犬子(いんご)ひょうたん」が売り出されます。 家に持ち帰った「犬子ひょうたん」は家の鴨居などに差しておきます。そうすることで一年間疫病、災いから逃れられると言い伝えられています。
では、なぜ子犬と瓢が魔除けになるのでしょうか。地元では語り伝えられています。「八坂神社がこの地に祀られるようになる時、道中現れた疲れた様子の子犬に、瓢箪から御神酒を分けてやると喜んで、すぐに元気になりました。しかし遷宮のお祭りが終わる頃には急に姿が見えなくなりました。居合わせた人々は子犬はきっと神様の使いであったに違いないと思いました。」という話が語り伝えられています。それ以来この神社の祭りに縁起物として「犬子ひょうたん」が作られるようになったそうです。
さて、山鹿ではこの「犬子ひょうたん」のお祭りの日を浴衣の着始めとしていました。この祭りがあると山鹿にいよいよ夏がやってきます。

参考文献

山鹿市史編纂室 『山鹿市史 下巻』 山鹿市 1985 
『肥後のまつり(上)』 テレビ熊本 1996

周辺情報

大宮神社境内には、8月の灯籠祭りで毎年奉納される山鹿灯籠を展示している「灯籠殿」、四十九基の猿田彦の石碑などあります。また、近くには、山鹿温泉「桜湯」、八千代座、山鹿灯籠民芸館などがあります。

地図

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