船場橋(せんばばし)宇土市
所在地
宇土市船場町
利用案内
- 駐車場:なし
- トイレ:なし
解説
馬門石でつくられた石橋
馬門石(まかどいし)とよばれる石でつくられた橋が、宇土市中心部の船場町にあります。形は単一アーチ橋で、橋の規模は延長13.7m、幅4.1m、径間10m、すき間なく石が組み合わされていて、アーチ部分は美しい半円を描いています。
最大の特徴は、全体がピンクに近い赤みを帯びていることで、材料に使われている馬門石の特徴です。宇土市内には、ほかにも馬門石でできた石橋がありますが、なかでも船場橋は最も大きく、美しい景観を今に残しています。
造られた年代は、江戸時代の細川藩の記録によると文久元年(1861年)頃には造られていたようです。江戸時代中期の地図には橋はなく、明治初期の地図にはあることもこのことを裏付けています。
船場橋付近は、宇土の領主であった小西行長が船着場として開き、主に江戸時代になって整備されました。江戸時代には近くに宇土支藩の蔵屋敷もあり、船着場から蔵屋敷までは馬門石の石畳が敷かれていました。
現在は、蔵屋敷や石畳、武家屋敷の一部が残っており、当時の面影がうかがえます。いろいろな積み荷を船から降ろしたり、大坂の蔵屋敷まで運ぶ年貢米などを積み込んだりして、船場橋界隈はたくさんの人びとでにぎわったことでしょう。
参考文献
宇土市史編纂委員会 編『新宇土市史 資料編 第1巻』宇土市、1999年
宇土市史編纂委員会 編『新宇土市史 資料編 第2巻』宇土市、2002年
周辺情報
轟地区には轟水源があり、日本の名水100選に選ばれています。