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山森阿蘇神社のクスノキ(やまもりあそじんじゃのくすのき)和水町

山森阿蘇神社のクスノキのイメージ1
山森阿蘇神社のクスノキのイメージ2

所在地

玉名郡和水町西吉地

利用案内

  • 駐車場:三加和温泉ふるさと交流センター前
  • トイレ:駐車場2台程度

解説

白蛇宿る伝説のクスノキ

樟(クスノキ)のある場所

和仁川沿いに県道194号を遡っていくと、県内でも珍しい性の神様である七郎神(ひちろじん)が左手にあります。そこを過ぎて、約2kmで春富小学校校区の西吉地山森の集落に着きます。左手に杉がこんもりと繁った丘が見えますが、その山裾に山森阿蘇神社があります。この神社は約270年にわたり受け継がれている『こども神楽(かぐら)』でも有名です。道路の脇に建つ鳥居と楼門をくぐり、石段を登るとその中段のすぐ左手に大楠があります。

大きさや樹齢は、どれくらいなの?

このクスノキの大きさは、幹囲は約6.5m、樹高は約25m、枝張りは東西に20m、南北に23mもあります。幹は、高さ約5mで三つに分かれており、それぞれは直径が1mもありそうな大枝で、四方八方に枝を伸ばしています。樹齢はおよそ800年と推定されていますが、樹勢は今なお旺盛です。

どんな伝説が残っているの?

昔、ある大雨の日、和仁川の水がどんどん増えてきて村の前にある堤防を越えようとしました。すると、どこからともなく白い大木が流れてきて堤防の上に横たわったのだそうです。そのおかげで、今にも切れそうだった堤防も切れることなく、村前の耕地は水害を免れたのだそうです。その水が引き始めると、木と思われていた白く長いものは、にょろにょろとくねりながら川上の方に行き、山森で見えなくなったそうです。
また、ある時、集中豪雨で集落の裏山が今にも崩れ落ちようとしていた崖に、白い大蛇が横たわり崩落を防いでくれたので、下の裏山は災害を免れたそうです。さらに火災の時には、燃える家と隣家の間に白蛇が横たわり、鱗の間から水を噴きだしたので、隣の家は類焼を免れたのだそうです。このようなことが西吉地ではたびたび起こり、災難は最小限に留まったそうです。この白蛇が樟に宿っているのを見た人はいないのですが、村人の多くは白蛇がこの樟に住んでいると信じているのだそうです。(注1)

樟とは、どういう木なの?

クスノキ科の仲間で、暖かい地域のはえている一年中緑色の葉をつけている木です。木は、かおりがよく、家をたてる時や家具をつくる時の材料として使われます。また、昔は、しょうのう(虫よけの薬)などをとるのに利用されるていました。熊本県の木で、公園や庭園で一般的によく見られる木です。

その他

昭和40年2月25日に県の天然記念物として指定を受けています。
(注1)三加和町史下巻(1994)

参考文献

三加和町文化財保護委員会 『三加和町の文化財ガイドブック 3』 三加和町教育委員会 1985
三加和町史編集委員会 『三加和町史 下巻』 三加和町教育委員会 1994

周辺情報

近くに、緑彩館(物産館)、ふるさと交流センター、田中城址などがあります。

地図

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