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茂道海岸の植物(もどうかいがんのしょくぶつ)水俣市

茂道海岸の植物のイメージ1
茂道海岸の植物のイメージ2
茂道海岸の植物のイメージ3

所在地

水俣市茂道

利用案内

  • 駐車場:50台
  • トイレ:グリーンスポーツみなまた内に有

解説

豊富な海岸植物が観察できる茂道海岸

四季折々の植物

シャリンバイ4月~5月にかけては、シャリンバイの白い花が見頃です。他にも海岸線に沿ってトベラ、マサキ、クスドイゲ、コクテンギ、テリハノイバラ、マルバグミなどの樹木が多く生育しています。5月いっぱいは満潮線にトウダイグサ科のイワタイゲキが鮮やかな黄色い花をつけています。きっとその鮮やかな色に感動されると思います。
その他、ツルナ、ツルソバ、ハマダイコン、ハマエンドウ、ハマウドなどの海岸植物を観察することができます。ツルナは食用にもなります。筆者も食してみましたが、やや酸味はあるものの、和え物にすると美味しくいただけました。
夏場にはハマナデシコの赤紫の花や、ハマボッスの白い花が海岸を飾り立てています。紫外線の強い岩場でたくましく生きるこれらの花は、ほんとうにきれいです。ハマボッスも海岸を代表する海岸植物で、花をつけた後の茶色い実が僧侶の用いる払子(ぼっす)に似ているところから命名されたということです。このころアオイ科のハマボウも大きな黄色い花をつけ、亜熱帯の雰囲気をつくり出しています。熱帯のハイビスカスと同じアオイ科の花で、キハイビスカスとも呼ばれています。
また、亜熱帯種でこの場所が北限ともいわれるハマナツメの株も数株確認できます。ハマナツメは冬場には葉を落とし、早春に花をつけます。花は白く、注意深く観察しないと見落としてしまいそうです。夏には、小さな盃状の実をつけます。根元を探すと盃状のハマナツメの実を見つけることができます。

「グリーンスポーツみなまた」の植物

茂道海岸を観察するためには、グリーンスポーツみなまたの入り口から入ります。入り口付近にはトベラやシャリンバイ、ヤブツバキ、ヤマモモ、タブノキ、シロダモ、カカツガユ、カンコノキなどが茂る林の根元に、ツル性のガガイモ科のリュウキュウシタキカズラが数本見つかりました。この植物は名前の通り琉球列島などの熱帯・亜熱帯に多く見られる植物です。鳥が運んだのか、あるいは人為的に植えられたのかよく分かりませんが、種子がどのようにして運ばれたのか調べることに好奇心を抱くのも面白いことではないでしょうか。
グリーンスポーツみなまたのキャンプ場には大きなクスノキがたくさん育っています。海岸に近い第二キャンプ場近くにはタブノキが優先する林の中にエゴノキやニガキ、ヤブニッケイ、シロダモなどの木々が生育しています。
また、林の下には、オオカグマ、ベニシダ、フモトシダ、コシダ、イシカグマ、ミゾシダ、ウラジロ、アマクサシダ、オニヤブソテツなどのシダ植物を観察することができます。

「キイセンニンソウ」が観察できます。

第二キャンプ場から第一キャンプ場へ抜ける道の脇に、紀伊半島以外の場所ではめったに見られないといわれるキイセンニンソウの株を10株ほど確認しています。キイセンニンソウの花は白です。人里にあるセンニンソウやボタンヅルと同じでキンポウゲ科の植物です。
水俣芦北自然観察会のメンバーから、以前水俣市袋の山林でクマガワセンニンソウ及びキイセンニンソウが確認されたという情報がありましたので、メンバー4人で半日ほど松山に入って探してみました。すると、確かにキイセンニンソウに出会うことができました。キイセンニンソウは、時間をかけて根気強く探せばまだまだ水俣地区には生育しているのかもしれません。一方、クマガワセンニンソウにはとうとう出会うことができませんでした。

参考文献

『野草の観察』 保育社

周辺情報

近くには、グリーンスポーツみなまた、熊本県環境センター、水俣病資料館、竹林公園などがあります。

地図

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