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スズラン自生地(すずらんじせいち)阿蘇市

スズラン自生地のイメージ1
スズラン自生地のイメージ2

所在地

阿蘇市波野大字波野

利用案内

  • 駐車場:80台
  • トイレ:あり

解説

スズランについて知ってますか?

スズランはどんな植物かな?

スズランという名前は、どうしてつけられたと思いますか?
スズランの花の形を思いうかべてみてください。鈴蘭(スズラン)の名前は、花の形を鈴に見立ててつけられたものなのです。ランの名がついていますが、実はスズラン科(APGⅡ分類体系)の植物です。葉は舌のような幅ひろい形をし、平行脈で、ふつう2枚出ています。花が咲くのは、5~6月頃で、二枚の葉の真ん中から高さ15~25cmのまっすぐ立った1本の花茎をだし、10個前後の白い花を段々につけます。また、香りが良く香水の原料にされるほどです。その可愛らしい姿とは裏腹に根や茎などには毒をもっています。そのため牛や馬に食べられることはなく牧草地などで繁殖しています。

阿蘇市波野(旧波野村)でスズラン自生地発見 (『波野村史』p.47)

北海道などで多く見られるスズランの自生地が阿蘇市波野(旧波野村)で発見されたのは、昭和49年5月のことです。当時の「熊本日日新聞」(昭和49年5月27日)には、次のように報じられています。
「スズランが密生 波野の原野で発見 北海道や本州中部以北の高原にしかないといわれるスズラン自生地が阿蘇郡波野村の原野で見つかった。同村では、この小さな鐘のような花と、さわやかな香りを持つ北国の植物を育てたいと保護策を検討している。スズランはスズラン科の多年草で、別名をキミカゲソウともいう。日本では、北海道や中部以北の高原に自生しているが、南国九州で自生しているのは、きわめて珍しい例といわれる。阿蘇地方では昭和45年春、阿蘇郡一の宮町の北外輪山ハイランド牧場で自生地が見つかっており、波野村は2番目。同村の自生地は標高約800mで、農業Yさん(50)の私有地。5平方メートルほどの広さに密生している。」
このように自生のスズランが九州で見られるのはとても珍しいことなのです。5月中旬~6月上旬になると、波野高原に可憐な5万株のスズランの花が咲き、高原一帯は、甘い香りに包まれます。現在は、熊本県の自然環境保護地区にも指定されており、その一体は保護されています。是非一度は行ってみてください。

阿蘇の花々開花状況(阿蘇市ホームページ)

参考文献

波野村史編纂委員会『波野村史』p.47 「スズランの自生地」 波野村 1998
牧野富太郎 『牧野原色植物図鑑』 北隆館 1986

周辺情報

近くには、道の駅波野や神楽苑、やすらぎ交流館などがあります。また、阿蘇望橋や荻岳などの名勝地の他、荻神社や八十八カ所霊場などもあります。

地図

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