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大観峰および外輪山の植物(だいかんぼうおよびがいりんざんのしょくぶつ)阿蘇市

大観峰および外輪山の植物のイメージ

所在地

阿蘇市

利用案内

  • 駐車場:なし
  • トイレ:なし

解説

阿蘇の草原にはどんな植物があるのだろう?No.2

大観峰の草原 

内牧(うちのまき)の北、ミルクロードの中央あたりに大観峰があります。古くは「遠見ヶ鼻」と呼ばれていた場所で、徳富蘇峰が雄大な景観をたたえて、「大観峰」と名付けたといわれています。近くには高浜虚子の句碑や吉井勇の歌碑も建ち、外輪山上の名所となっています。ここから見る阿蘇五岳の眺めはすばらしく、水田の広がる阿蘇谷のむこうに、根子岳を顔に、高岳から杵島岳を体にみたてた涅槃像(ねはんぞう。お釈迦様の寝姿)がゆったりと横たわっています。
大観峰の周辺には、一面の草原が広がっていて、端辺(はたべ)原野と呼ばれています。ここでは春、野焼きのすんだ草原に足の踏み場もないほどにキスミレが咲き誇り、やがてハルリンドウやミツバツチグリなどの花が盛りになります。ヒゴスミレやアカネスミレなどのスミレ類も一斉に咲き、梅雨が近くなるとバイカイカリソウやシライトソウの花も見られるようになります。夏になると、アソノコギリソウやカワラナデシコなどが草原を彩り、夕陽が西の空を茜色に染めるころユウスゲの花が次々に咲きそろいます。湿地にはノハナショウブや、エゾミソハギが咲きます。秋には、ススキ波打つ草原にオミナエシやヤマハギ、ワレモコウ、サイヨウシャジン、リンドウ、ウメバチソウ、ヤマラッキョウなどが咲きます。端辺原野はいつ訪れても花の楽しめる場所です。

ユウスゲ(ワスレグサ科APGⅡ分類体系)

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花期は6~8月。花は上品なレモン色で直径約7cm、長さ約10cm。夕方に咲いて朝には閉じる一日花。しかし、毎日次々と咲くために花期は長い。


 

カワラナデシコ(ナデシコ科)

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花期は8~9月。直径5cmほどで縁が切れ込んだピンク色の花を咲かせる。高さ50~100cm。

 


 

アソノコギリソウ(キク科)

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花期は7~9月。直径1cm程のキクの花を小さくした真っ白な花が、茎の先端に数個集まって咲く。

 


 

サイヨウシャジン(キキョウ科)

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花期は8~10月。茎の上部の節から四方に枝を広げ、薄紫色で細い鐘型の花をたくさんつける。高さ50~100cmになる。

 


 

オミナエシ(オミナエシ科)

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花期は8~10月。直径約3mmの黄色い粟粒状の小さな花が、数百個集まって茎の先端に、平板状に咲く。見た目はきれいだが、悪臭がある。

 


 

サクラソウ(サクラソウ科)

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花期は4~5月、花はピンクで直径3cmほど。花茎は斜上して10~15cm、その先端に十数個の花を咲かせる。

 


 

参考文献

今江正知・村岡節男 『阿蘇の植物便覧』 熊本県 1982
今江正知編 『自然と生き物の讃歌』 一の宮町 2001
瀬井純雄 『日本列島花マップ −阿蘇山−』 北隆館 1991

周辺情報

近くには、花阿蘇美(はなあそび)、瀬の本高原などがあります。

地図

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