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永浦島のハクセンシオマネキ(ながうらじまのはくせんしおまねき)上天草市

永浦島のハクセンシオマネキのイメージ1
永浦島のハクセンシオマネキのイメージ2
永浦島のハクセンシオマネキのイメージ3

所在地

上天草市松島町永浦島

利用案内

  • 駐車場:なし
  • トイレ:なし

解説

日本一のハクセンシオマネキの棲息地

場所は、熊本方面から天草二号橋を渡り、樋合(ひあい)海水浴場の入り口から車で3分ほど行った所です。「永浦島のシオマネキ」と書かれた案内板が目印です。干潮時でないと干潟は現れませんので、訪れるときには潮汐表で時間を確認しておくと良いでしょう。干潟の長さは約300mで、降りてみると茶色っぽい砂泥でわりとかたく、普通の運動靴でもぬかるむことはありません。見渡すと茶色の干潟に白い小石がたくさん散らばっているように見えます。よく見るとその小石は全体が同じリズムで小刻みに動いています。それがハクセンシオマネキで、この場所には、およそ30万匹のコロニーが見られます。

ハクセンシオマネキとは

オスはどちらか片方のハサミが特に大きくなっていて、その大きさは甲羅の幅の1.5倍ほどです。大きなもので甲羅の幅が2cm、ハサミの長さが3cmほどあります。右が大きいものと左が大きいものの数はほぼ同じ割合です。メスはどちらもハサミは小さいです。
潮が引くと巣穴から出てきて巨大なハサミを横から上へ振り上げ体の前へおろす運動をくり返します。これはメスに対する求愛行動(愛の告白)ですが、いかにも潮を招いているように見えるところから「潮招き」の名がつきました。また、白いハサミを振っているのを見ると白い扇のように目に残って見えることから、「白扇」(はくせん)の名があります。かつては西日本各地で見られましたが、干潟の埋め立てなどで住む場所がなくなり、今では松島が全国最大の棲息地になっています。活発なのは6月、7月の大潮(干満の差が一番大きい)近くの天気の良い昼間だけです。
求愛行動に成功するとオスが巣穴に入っていった後についてメスが入っていき、オスは砂泥でふたをして巣穴の中で交尾を行います。メスが巣穴に入っていっても交尾を行わず、すぐに出てくることもあります。交尾の後、数時間後には産卵をします。
とてもなわばり意識が強く、自分の巣穴の近くに他のオスが近づいてくるとまずはにらみ合い、巨大なハサミを動かしてまるで「かかってこい」といわんばかりです。しかし、その巨大なハサミで相手をはさんだりするのかと思うと、押し合うぐらいで、中にはちょっと触れただけですぐに自分の巣穴にもぐりこんでしまうものもいます。時には巨大なハサミをかみ合わせてけんかもしますが、決して相手を傷つけることはしません。
食物は干潟の表面についている目に見えない小さな生物や栄養分です。食事には大きなハサミは使わず小さいハサミを上手に使います。食物だけを上手に食べて泥だけを小さな団子にして巣穴の周りに置きます。このような「泥団子」をつくるのはチゴガニやコメツキガニなどスナガニ科のカニに多いです。

参考文献

『ポケット図鑑 海辺の生き物』 成美堂出版 1997

周辺情報

近くには、天草ビジターセンター、海中展望船シードーナツ等があります。

地図

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