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菊池川の干潟の生き物(きくちがわのひがたのいきもの)玉名市

菊池川の干潟の生き物のイメージ1
菊池川の干潟の生き物のイメージ2
菊池川の干潟の生き物のイメージ3
菊池川の干潟の生き物のイメージ4

所在地

玉名市大浜町

利用案内

  • 駐車場:
  • トイレ:

解説

干潟は生き物の宝庫

菊池川が高瀬大橋をくぐり、川幅もだんだんと広がり、流れも緩やかになると、右岸に滑石(なめいし)地区、左岸に大浜地区が見えてきます。ここらあたりになると、有明海も目の前で、心地よい潮の香りが漂ってきます。その両地区をつなぐ大浜橋と新大浜橋の間には干潮時に生物観察に適した干潟が現れます。干潮の時刻を見計らって、菊池川の干潟に棲んでいる生物を観察してみましょう。観察する場合は、双眼鏡など少し離れた場所からでも見える道具を使うと、生き物たちに警戒させることなく自然な姿を観察できますよ。

トビハゼとムツゴロウ(ハゼ科)

トビハゼは、魚のくせに水が嫌いで、潮が引いた後の干潟の泥の上をぴょんぴょん跳びはねて動いています。潮が満ちてくると、海水から逃げるように石の上や海面に突き出た枝の上に登ったりします。両目は頭の上に突き出ていて愛嬌がある顔をしていますが、怒るとエラを広げて相手を威嚇したりもします。体長は10cm程度ですが、中には15cmを超える大物もいます。ムツゴロウは、ケイ藻を食べる草食性ですが、トビハゼは、ゴカイ類やカニ類を食べる肉食性です。また、ムツゴロウには青黒の輝点が体側に散在するのに対しトビハゼにはありません。

シオマネキとチゴガニ

片方が大きな赤っぽいハサミをもった2cmくらいのカニが、シオマネキです。それに対して1cmぐらいの青白い小さなカニがチゴガニです。泥質の干潟に見られるカニたちです。
シオマネキ類では6月頃になると、雄はハサミを上下に動かし潮を招くような行動を始めます。これは雌への求愛行動といわれ、7月から8月にかけて最高潮になります。

ヤマトシジミ(シジミ科)

シジミ類には、完全に淡水生のマシジミもいますが、海水と淡水が混じる河口付近(汽水域)の砂地にはヤマトシジミが多く生息しています。マシジミは殻長が4cmほどになりますが、ヤマトシジミは、せいぜい3cm程度です。しかし、スーパーなどで売られているものは小ぶりで1.5~2cm程度のものが多いようです。
一般的にシジミというと多くの人が、黒い貝がらをイメージしていると思いますが、菊池川のシジミは黄色の貝がらをしています。菊池川は砂が多く、花こう岩が風化されてできた黄色っぽい砂をしているので、菊池川のシジミは、その色に近い体色にすることで外敵から身を守っていると考えられます。

白サギ類

白サギ類は、玉名地方に残る「疋野長者の伝説」の中にも出てくる玉名ゆかりの鳥です。農薬使用の減少や下水道整備のおかげで、この20年くらいで玉名平野の各地で再び見られるようになりました。白サギと通称される種類には、小さい方からコサギ(全長約60cm)、チュウサギ(全長約70cm)、ダイサギ(全長約90cm)の三種がいますが、最も普通に見られるのは、コサギです。冬羽になると白くなるアマサギ(全長約50cm)もいますから、注意して違いを見つけてみてください。くちばしの色や形、足の色など、いろんな特徴が見られますよ。干潟では、浅いところでコサギが、深いところではダイサギがじっとたたずんで魚やカニなどの獲物を捕っています。

参考文献

谷口育英 『くまもと生き物手帳』 熊本日日新聞社 1998

地図

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