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渡り鳥の西ルート(わたりどりのにしるーと)天草市

渡り鳥の西ルートのイメージ1
渡り鳥の西ルートのイメージ2

所在地

天草市深海町六郎次山

利用案内

  • 駐車場:六郎次山頂広場(8台分)
  • トイレ:山頂登り口

解説

貴重な渡り鳥たちのルート

渡り鳥の最西端ルート

天草下島は渡り鳥の国内ルートで、最も西のルートになります。六郎次山では、秋の渡りのとき朝鮮半島から渡ってくるアカハラダカの貴重な姿を観察でき、春には鹿児島県出水から韓国を通過してロシアへ渡るナベヅルやマナヅルの北帰行を見ることができます。特に牛深市の六郎次山では、展望台の上空を通過する渡り途中の姿を見ることができます。また、マナヅルの一部は、12月くらいから下島の一町田干拓などで越冬する姿も見られています。彼らの他にも、下島の北から南を結ぶ渡りルートを多くの鳥たちが通過し、西海岸に沿って渡る鳥たちも観察されています。このように、下島は渡り鳥たちの貴重なルートとなっています。

絶滅が心配される貴重な鳥の渡りルート

ナベヅルとマナヅルは絶滅が心配されている野鳥です。環境省の「日本の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータブック)」で絶滅危惧2類(V U)に指定されています。両種は東アジアに局地的に分布する種で学術的にも貴重ですが、数も多くありません。特に、越冬地として有名な鹿児島県の出水平野には、世界のナベヅルの9割、マナヅルの4割が集中して飛来し、過密状態となっています。そのような中では、エサ不足や伝染病の流行による絶滅の危険性が高まっています。ですから、彼らが分散して冬を過ごすことができる場所はとても貴重なところといえます。

形態と生態

アカハラダカ

全長30センチメートルとハトよりやや小さく、胸から腹の上面が赤みを帯びる。幼鳥は赤みがなく、胸から腹の横縞模様がはっきりとしている。旅鳥として長崎と天草の西海岸、琉球諸島を通過する。

ナベヅル

全長は1メートル弱で、体は黒っぽい。頭とくびは白く、頭頂に赤が見られる。嘴は黄色く、足は黒い。若鳥の体は黒味が強く、頭はクリ−ム色がかっている。「クルル」というよく響く声で鳴く。若鳥は「ピー、ピー」と鳴く。冬鳥として鹿児島県出水市に飛来し、水田、畑、草原などで見かける。

マナヅル

全長は1メートル30センチくらいで、ナベヅルより大きく、体は灰色がかっているのでナベヅルより白く見える。目の周囲が赤い。嘴は黄色で、足はうすいピンク色。若鳥は頭が褐色だが、かなり黒く見えるものもいる。ナベヅルによく似て「クルル」と鳴く。また、雄と雌が向かい合ってダンスをしながら「クッ、クルル」と鳴き合うこともある。鹿児島県出水市の水田や湿地に冬鳥として飛来する。

参考文献

環境省編 『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物−レッドデータブック− 2.鳥類』 (財)自然環境研究センター 2002
高野伸二 『フィールドガイド日本の野鳥』 (財)日本野鳥の会

周辺情報

遠見山公園、温泉(やすらぎの湯)などがあります。

地図

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