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乙姫子安河原観音(おとひめこやすかわらかんのん)阿蘇市

乙姫子安河原観音のイメージ

所在地

阿蘇市乙姫

利用案内

  • 駐車場:子安河原公園内にあり
  • トイレ:あり

解説

子授り・安産の観音様~乙姫子安河原観音~

乙姫子安観音の位置

乙姫地区は旧阿蘇町の中心部に位置し、国道57号に沿って集落を形成している地域です。乙姫子安観音は、阿蘇五岳の一つ杵島(きじま)岳から流れる子安川の中流にあります。人々は、子安川中流にあった2つの巨岩を「子授り」「安産」の観音としてあがめてきました(注1)。現在は、ほとんど干上がってしまって川としての様相を見せてはいない子安川ですが、観音堂の周りにきれいな公園も出来上がり、地域の人々の憩いの場所にもなっています。

乙姫子安観音の由来

乙姫子安観音には、その昔、神功(じんぐう)皇后が応神天皇を懐妊したときに、武内宿禰(たけしうちのすくね)に命じてこの地で安産を祈らせたという話が伝えられています(注2)。
子安河原観音堂の裏にある河原には、女性が仰向けに寝そべっているような形をした岩があり、それを観音様に見立て、周りの石を拾ってお堂に奉納し子宝祈願をします。また岩の上に石を積むといった奉納の仕方をしている人々もいるようです。河原に落ちている石を家にもって帰ったり、子どもに恵まれていない知人に贈るといったこともされています。
この観音様には、地域の人だけでなく、熊本県内外からお参りに来られているようで、子宝成就のお礼参りに来られる方々も多いようです。観音堂の中には、来られた方々が自由に思いを綴ることができるノートがあるのですが、そこには、たくさんの人々の子どもへの思いや、思いが遂げられた時の感謝の気持ちなどがたくさん書き込まれています。
子安河原近くの乙姫ペンション村で、運動公園関係の管理をされている方は、毎年、そのノートを元に、全国各地に子安河原観音祭り(毎年5月8日)のお知らせの葉書を送られています。また、毎年、このお祭りの時期には、近くの乙姫小学校の児童が、春の歓迎遠足もかねてやってきています。子安観音様は地域の人々に守られながら深い森の中で、静かなたたずまいをみせています。
(注1)「史料・阿蘇」同書によると、昭和28(1953)年の大水害によってこの巨岩は流されてしまいました。
(注2)「子安河原観音由来」(説明板)阿蘇町教育委員会作成

参考文献

『史料阿蘇』 阿蘇町教育委員会編集・発行 1978

周辺情報

阿蘇市には西巌殿寺や乙姫神社といった由緒ある寺社があります。また阿蘇中岳、草千里など阿蘇の雄大な自然が満喫できます。

地図

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