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水島周辺の海岸動物(みずしましゅうへんのかいがんどうぶつ)八代市

水島周辺の海岸動物のイメージ1
水島周辺の海岸動物のイメージ2

所在地

八代市水島

利用案内

  • 駐車場:球磨川堤防沿い他、交通の妨げにならない所
  • トイレ:あり(水島龍神社前の公衆トイレ)

解説

水島で海岸動物を観察しよう

球磨川河口に現れる干潟

干潮になると球磨川河口周辺の一帯に干潟が現れます。球磨川の下流は生活排水や工場排水などが原因で必ずしもきれいな水が流れているとは言えません。しかし干潟を注意深く観察すると、そのような条件でもシオマネキやチゴガニ、トビハゼなど様々な生き物が、たくましく生きている様子が分かります。球磨川河口周辺の海岸動物の観察ポイントとしては、水島周辺が、動物の種類の多さや安全面などから、最も適しているところとしてあげることができます。

水島周辺の海岸動物の観察

金剛橋から左岸の堤防沿いを約1.5km下ると、小さな島と神社が見えてきます。この小島が水島で、神社は龍神社と呼ばれています。龍神社には堤防から階段を伝って行くことができ、また干潮時には水島へ渡ることもできます。これらの周辺は小さな干潟や多くの岩があり、春先から秋にかけてさまざまな海岸動物が見られます。干潟を観察すると、片方のはさみだけが大きなシオマネキがさかんにはさみを振っているのが多数見られます。そして干潟をさらによく見ると、大きさは1cmほどで白く小さなはさみをもつカニが、両方のはさみを万歳するように上下しているのが分かります。このカニはチゴガニと呼ばれ、数十個体がリズミカルに動きを合わせて、まるでダンスをしているように見えます。シオマネキもチゴガニも同じスナガニ科で、シオマネキの円を描くような動きやチゴガニの万歳の動きは、雄の雌への求愛行動や、他の雄への威嚇(いかく)の意味があると考えられています。シオマネキもチゴガニも非常に警戒心が強く、近づくとすぐに穴に隠れてしまいますので、観察するときは双眼鏡などを使って、少し離れて見るのがいいでしょう。また、干潟にはトビハゼもいます。
落ちている石や岩の表面を見てみるとカキやフジツボが付着しています。フジツボとはその名前の通り、小さな富士山のような形をしており、火口にあたる穴の部分には鳥のくちばしのようなものが見えます。フジツボは、甲殻類と呼ばれるエビやカニの仲間です。
潮が満ちてくるとフジツボは、鳥のくちばし状のものの中から蔓脚(つるあし)と呼ばれる櫛(くし)状の物を出し、それを盛んに動かして海中のプランクトンを集めて食べます。水島周辺に見られるフジツボは、そのほとんどはシロスジフジツボです。フジツボにもいろいろな種類がありますが、シロスジフジツボは最も乾燥に強いので、外気に触れる時間の長い海岸でも見ることができます。
水島周辺は岩が多いので、小さな子どもと一緒の時は、子どもがすべって怪我(けが)をしないよう注意しましょう。マナーとして、裏返した石は必ずもとに戻しておきます。持っていく道具は、採集用の小さなバケツやビニール袋があれば十分ですが、図鑑などで調べたい時は小びんを数個用意し、70%アルコールに入れておけば個体を保存できます。採集する動物は、どうしても必要なものだけを採集するようにしましょう。

参考文献

堤俊夫・竹村嘉夫 『原色海辺の動物』 家の光協会 1980

周辺情報

近くには、水島、水島龍神社、水島堤防「長田王」歌碑、八代六中「長田王」歌碑、大鼠蔵古墳群などがあります。

地図

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