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球磨川河口の三角州(くまがわかこうのさんかくす)八代市

球磨川河口の三角州のイメージ

所在地

八代市渡町1303

利用案内

  • 駐車場:球磨川河川敷スポーツ公園 多数
  • トイレ:あり

解説

急流「球磨川」がつくった三角州

急流「球磨川」

球磨川下りなどでも有名な球磨川は、日本三急流の一つとして知られています。豊かな恵みをもたらす球磨川には良質な水にはぐくまれた藻が繁殖し、その流れの速さのなかで成長した30cm以上もある大きな尺鮎と呼ばれる鮎が生息しています。またその豊富な水量は工業用水や発電などにも利用されるほか、八代平野の田畑に農業用水として利用されています。その球磨川八代海に接する河口に大きな三角州ができています。

球磨川の三角州

三角州は、川が海に流れ出るところで流れが遅くなるために上流から運ばれてきた土砂が堆積してできる地形です。 川の水は上流では山の急な斜面に沿って流れるために流れが速く、特に雨量の多いときなどは流量も増え、上流の土砂を削り取ります。これを侵食作用(しんしょくさよう)といいます。削り取られた土砂は水の流れによって下流へと運ばれます。これを運搬作用(うんぱんさよう)といいます。この球磨川は八代平野の中を流れながら八代海へと注ぎます。平野の中を流れる水は、流速がおそくなるため、水の勢いがなくなります。その結果、水の中の泥や砂が沈みはじめます。これを堆積作用(たいせきさよう)といいます。このようにして、河口付近で泥や砂が堆積してできた地形が三角州です。
上流に近いところでは、大きな石も運ばれますが、これらは流れの途中で沈みます。三角州は上流から遠く、流れも緩やかなために、運ばれてくるものは水に浮遊しやすい粒の小さな砂や泥が多くなります。球磨川の河口付近ではこのようにして形成された三角州によって川が枝分かれしています。八代市の北側を流れる前川、南側を流れる球磨川、その球磨川と前川の間を流れる南川、と別れていてその間に堆積によってできた町が広がっています。 

球磨川河口の生物

この球磨川にはアユ、コイ、ウナギなど多くの淡水魚を見ることができます。河口近くから八代海にかけては、スズキ、ボラ、ハゼ、カニ、エビなど多くの種類の生き物をみることができます。また八代の河口付近では、八代市の市鳥カワセミをはじめ、サギ、カモなど多くの水鳥がみられます。球磨川のきれいな水と豊富なえさに恵まれた干潟は、水鳥が生息するために最適の環境です。毎年シギやチドリ、カモメをはじめ多くの渡り鳥が飛来する球磨川河口は八代海を代表する渡り鳥の飛来地です。

参考文献

豊原富士夫・村田正文 『土地分類基本調査 5万分の1表層地質図「日奈久」』 熊本県 1986

周辺情報

近くには、八代市立博物館があります。

地図

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